第409章

「望月琛、何をする気?」

 彼女は短く叫び、咄嗟に彼の首に腕を回した。

「シッ」

 彼の口元に、久しく見なかった笑みが浮かぶ。

「叔母さんが下で見ているぞ」

 前田南が振り返ると、案の定、スープ皿を手にした望月亜佳が、目を細めてこちらを見上げていた。

 彼女は羞恥と怒りで望月琛の肩をぽかりと叩いたが、掌に伝わる胸の熱さに、慌てて手を引っ込めた。

「まだ熱があるじゃない」

 望月琛の足が止まる。

「大したことはない。少し休めば治る」

 主寝室のドアが静かに閉まる。レースのカーテン越しに陽光が差し込み、絨毯の上に細かい光の粒を落としている。

 前田南は慎重にベッドの縁に降ろ...

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